今回はスラッシュメタルの歴史的名盤の紹介です。
それはズバリ、Slayerの「South Of Heaven」です。スレイヤーと言えば80年代に、スラッシュメタルを世の中に広めた立役者的な存在。
メタリカやメガデス、アンスラックスとともにメタル四天王などとも呼ばれ、メタルのレジェンドとして語られることが多いバンドです。
そんなスレイヤーの代表作と言えば、「Reign in blood」でしょう。これはスラッシュメタルファンならほとんど方が、異論はないと思います。
なぜなら、スラッシュメタルの攻撃性、スピード、暗さ、これら3点の全てが詰まっており、聴いた後の満足感がハンパないから。
そんなわけでReign in bloodはスラッシュメタルの名盤として語られることが非常に多い作品です。
ではなぜ今回「South Of Heaven」なのか?それは僕の個人的な好みもあります。でもそれだけではありません。このアルバムには「Reign in blood」にはない、恐ろしいくらいの中毒性があるのです。
レビューではそこらへんも紹介していきますね~。
Contents
1988年リリースの4thアルバム
「South Of Heaven」はスレイヤーが1988年にリリースした、4枚目のアルバムです。
バンド史上最大のスマッシュヒットになった、1986年リリースの「Reign in blood」の次にリリースされた作品で、本作品のレコーディング時に、そのプレッシャーがあったと言われています。
同じ年にメタリカが「 …And Justice for All」、メガデスが「SO FAR, SO GOOD… SO WHAT! 」、アンスラックスが「State of Euphoria」をリリースしています。
世の中はメタルブームで湧いている熱い時代ですね。
バンドはメジャーデビューすると、大体、2,3枚目あたりにヒット作を作り上げます。そして次の作品は、ちょっと落ち着いた感じのアルバムになります。
「South Of Heaven」も同じでちょっと落ち着いた感じを受けます。ですが、このことがとてもプラスに働いているように感じます。
スレイヤーならではの攻撃性を維持しつつ、落ち着いた雰囲気を混ぜ合わせた、今までにない新境地を作り出しているからです。
スピードよりもうねるような重み
「South Of Heaven」の特徴として、うねるような重さがあります。前作「Reign in blood」はアルバムの最初から最後まで、一気に突っ走る勢いがありました。
決してスピードを落とすことなく、疾走感とともにあっという間に聴き終えてしまう。あの爽快感はたまらないものがありました。スラッシュメタル好きなら嫌いな人はいないでしょう。
一方「South Of Heaven」はスピードよりもむしろ、重さにポイントを置いている感じがします。
すべての曲が速いのではなく、遅かったり速かったり、色々なタイプの曲をちりばめることで、重さも、スピードも際立って聴こえてきます。
オープニングの「South Of Heaven」がゆっくりとしたテンポのヘヴィナンバーなので、アルバム全体がそうなのかと思いきや、次の「Silent Scream」はスピードナンバーです。
このあたりの緩急のつけかたが、アルバムをスリリングなものにしています。
特にカッコいい曲
1曲目「South Of Heaven」
タイトルトラック。さすがにオープニングを飾るだけあってインパクトもあるし、かっこいい。
まず不気味な旋律のリードギターに耳を奪われますね。キタキタって感じ。スレイヤーらしいドロドロ感もたまらない。
そこにもう一本のギター、ドラムベース、ボーカルが加わっていく。この時点で、すでにテンションが最高潮に上がってきます。そしてボーカルのメロディや響きが、これまたカッコイイのなんのって。
「South Of Heaven」って叫ぶところは、マジでヤバイくらいカッコイイです。ギターソロもキレッキレですっ!何回でも聴きたい名曲中の名曲。
4曲目 Behind the Crooked Cross
ギターのザクザクする刻みから入る曲で、直線的なリフが、とても硬派な感じを演出しています。直線的でシンプルなギターリフだけれど、耳に残る印象的なリフです。
手数の多いドラムが、曲をいい感じにスリリングにしてます。全体はミドルテンポなんだけど、ギターソロ時に速くなるところがカッコよすぎっ。
6曲目 Ghosts of War
聴いた瞬間、カッコイイ!ってわかる曲。これぞキラーチューンって感じ。切り刻むようなギターとドラムのハイハットの音。スラッシュメタルを120%味わえる、テンションが上がる名曲です。
さらにかっこいいのがトムアラヤのボーカル。アグレッシブで吐き捨てるような歌い方が、この曲をさらに引き立てています。
ギターソロの後の、ドラマチックなツインギターの絡み、そして、もう一度ギータソロ。間髪入れず、直線的なギターリフの刻み。このあたりの流れが最高にクール!
このアルバムが最高潮に盛り上がるところですね。
7曲目 Read Between the Lies
日本語訳すると「行間を読め!」空気を読めってことかな?ザクザクとしたギターリフで始まるミドルテンポの曲。
怪しい旋律のギターリフにのせた、ラップ調のボーカルが最高にカッコイイ!
スレイヤー初心者にオススメか?
「South Of Heaven」はスレイヤーを初めて聴く人にオススメか?
答えは「ノー」です。やはり初めて聞くなら「Reign in blood」をおすすめします。なぜなら「Reign in blood」はとにかく聴きやすい。良い意味でキャッチーさがある。
すべてが速い曲なので、ダレずに一気に聴きとおすことできます。しかし聴きやすいぶん、飽きも早いかもしれません。
その点、「South Of Heaven」ははじめは物足りなさを感じるかもしれませんが、聴けば聴くほど良さに気づく、新しい発見がある。そんなスルメ的アルバムです。
「あっこんなカッコイイ曲あったんだ」というドキドキ感がある。おもちゃ箱から宝物を探すような感覚。それを知ってしまったら「South Of Heaven」を聴かずにはいれらなくなりますよ。
それぐらい中毒性のあるアルバムです。
さいごに
ここまで読んでいただきありとうございました!ここまで読んだかたは「South Of Heaven」が聴きたくてうずうずしてることでしょう。
ぜひAmazonでポチッとしちゃってくださいね。買っても損はないアルバムですよ。
2019年の今聴いても、決して古臭さを感じさせない、物凄いオーラを放ったアルバムです。メタル好きなら必須アイテム!