久し振りの投稿です。今回はメタリカの「METALLCA」、通称ブラックアルバムについて書いていく。
このアルバム、1991年に発売されてからすでに33年経っている。
僕がこのアルバムを初めて聴いたのは、確か高校2年生の時。発売されてから1年後くらいだったと思う。
当時X(エックス)にどっぷりハマっていて、高校で組んだバンドでもエックスのコピーをやっていた。
エックスを初めて聴いたのは「Silent Jelousy」が学校のお昼の放送で流れていて、衝撃を受けたから。速くて激しい曲なのにメロディが切なくてきれいで、ずっと心の中に残っていた。
そのあと、エックスのアルバムは全部聴きまくって、それだけでは足りず、エックスが影響を受けたバンドを聴きあさっていった。
キッスとか、アイアンメイデンとか。
エックスのメンバーが出ている雑誌も読み漁ってた。
その雑誌のひとつでギターのHIDEが、最近メタリカが好きでよく聴いているという記事を読んだ。
「これは聴くしかない」
と思ってすぐにビデオレンタル屋に向かった。
当時はインターネットもなく、音楽を聴く手段はラジオかテレビ、あとはビデオレンタル屋でCDを借りる、CD屋でCDを買う、くらいのもだった。
この中で、すぐに手軽に安く聴けるのはレンタルだった。
レンタル屋に行くと、洋楽コーナーの棚にメタリカが置いてあった。洋楽のCDは物凄く数が少なかっただけに、メタリカはそれだけ人気があるんだなと思った。
確か3,4枚置いてあったけど、その中で一番新しい「METALLICA」を借りることにした。当時の僕は、一番新しいアルバムが一番いい、という偏見があったから。
家に帰り、CDラジカセからカセットテープにテープをダビング。90年代はじめはMDもないし、もちろんCD-Rもないし、パソコンも普及してない。だからダビングといえばカセットテープにするのが普通だった。
そしてダビングしたテープをウォークマンに入れて通学中に聴く、というのが僕のスタンダードだった。
次の日、バイトに行く途中にチャリンコを乗りながら、ブラックアルバムを聴いた。
特に良いとも悪いとも思わなかった。しいていえば、ポップでふわっとした感じだなと思った。そう感じたのは、今思えば不思議なんだけど、ウォークマンが軽さ重視のやつで重低音が効いていなかったのと、メタリカに対して先入観があったからかもしれない。
メタリカを借りる時に、メタリカはヘヴィメタルバンドだということを知らなかった。シンプルなロックバンドだと思っていた。それはジャケットが黒一色でシンプルだったから。だから音もシンプルでちょっとポップなのかなと、勝手な先入観があった。
そんな状態で聴いたから、ポップで少し軽く聴こえたのかもしれない。
ただ、2曲目のsad but true は妙に耳に残った。なんだか不思議なメロディなんだけど、また聴きたくなる感じがあった。
でも、アルバムの最後まで聴くことはなく、だいたい3,4曲聴いて終わりって感じで、数回聴いて、聴かなくなってしまった。
それからも色々、洋楽漁りを続けていたんだけど、とにかくテンポの速い曲を求めてた。それはXのSilent Jelousyやオルガスム、Vanishing visonみたいな2ビートの疾走感溢れる曲。
でもなかなか見つからなかった。アイアンメイデンはリフがかっこよくてツインリードも好みでいいんだけど、2ビートの曲というのがなかった。ラウドネスなんかも聴いたけど、2ビートの曲はあるけど、少し物足りなさを感じていた。
そんな時に、友達がメタリカの「Mastar of puppet」のCDを聴かせてくれた。
1曲目のBatteryを聴いた時、「これだlぁぁ~!」って感じで興奮した。こういう疾走感をもとめていたんだよなあって。
それから、「Master of puppet」「kill em all」「Ride the lightnig」など、どんどん遡って聴いていった。
「メタリカってこういうバンドなんだ」
と思った。そのときの印象は、ブラックアルバムを聴いた時の感じと全く違っていた。
過去のアルバムを遡って聴いていると、メタリカをどんどん好きになっていった。
そんな中でブラックアルバムもたまに聴き返していた。sad but trueは聴けば聴くほどカッコイイなと思った。
ボーカルの独特なメロディが好きなんだけど、ドラムも好き。アルバムを全体を通してドラムはめっちゃ目立っているし歌ってる。その中で特にsad but trueのドラムが好き。
ゆっくりで重くてタメがあってどっしりしてるんだけど、フィルがキャッチーで聴いていて胸が躍る。
ブラックアルバムを聴き返してはいるものの、だいたい4曲目あたりまで聴いて辞めてしまう感じだった。
高校3年生のときに別の学校の友達とバンドを組んでいて、その学校の卒業ライブで、ブラックアルバムの「The God That Failed」をやることになった。
この曲はアルバムの後半に収められていて、それまできちんと聴いたことなかった。でもバンドでやるようになって、結構カッコイイ曲だなと思った。
サビのボーカルラインとハーモニーがとにかくカッコイイんだけど、キャッチーになり過ぎず、ワイルドさもあってその塩梅がちょうどいい。
それからこの曲がどんどん好きになったし、後半の他の曲も聴くようになった。
卒業ライブで他のバンドが「My Friend of Misery」をやってた。この曲もブラックアルバムの後半に入ってる曲なのでちゃんと聴いたことがなかった。
改めて聴くとけっこうカッコイイ。ベースのソロから入るんだけど、このベースラインが不穏でこれぞメタルって感じの雰囲気を醸し出してる。
ベースラインにギターとドラムが入ってくるところがゾクっとする。サビのボーカルラインもカッコイイ。
ずっと後になってからだけど、メロディックデスメタルのDark Tranquillityがアルバム「The gallery」でカバーしてるのを聴いたけど、デスメタル風な「My Friend of Misery」もなかなか良かった。
そんな感じで後半の曲も少しずつ好きになっていった。その流れで「The Struggle Within」なんかも聴いた。行進曲のようなノリが意外にはまった。
そして時は過ぎ社会人になり、勤めていた会社の同僚とバンドを組むことになった。
そこでまずコピーしようということになった曲が「Enter Sandman」だった。理由はメンバーがみんなメタル好き、でもドラムが初心者、あとは3人しかいないってことで、じゃあメタリカのサンドマンだなってことになった。
この曲はそれまでそんなに思い入れがなかったけど、ボーカルギターをやってみて、好きになった。結構ボーカルのキーが高いけれど、無理やりでもこのキーを出すと結構キモチイイ。ギターソロは弾いていて楽しい。バンドで合わせた時も盛り上がる。
僕がブラックアルバムに出会ってから32年。今でもブラックアルバム聴いてる。たぶん人生の中で聴いたアルバムベスト5に入っていると思う。
このアルバムを聴いてると、いつのまにかどっぷりとメタルに浸かっていて、スカッとするんだよなぁ。
今聴いても古臭く感じないし、今でも新しい発見や楽しみが見つかる。そんなワクワクするアルバム。
それが僕にとってのブラックアルバムだ。