レッド・ツェッペリンの『IV』は、ギタリストにとってまさに聖書のような存在であり、その影響を受けたギタリストたちは数多くいます。ジミー・ペイジのギタープレイは、革新的でありながらも、非常に感情的で繊細。
『IV』での彼のアプローチは、単なるテクニックにとどまらず、ギターをまるで生きた楽器のように扱い、音楽に命を吹き込んでいます。その影響を受けたギタリストたちについて、いくつか挙げてみましょう。
レッド・ツェッペリン4に影響を受けたギターリスト達
1. エディ・ヴァン・ヘイレン
エディ・ヴァン・ヘイレンは、ジミー・ペイジに強く影響を受けたギタリストとして知られています。特に『IV』に収められた「Stairway to Heaven」のギターソロは、ヴァン・ヘイレンにとって大きなインスピレーションとなりました。エディはジミーのように、テクニカルでありながらも感情を込めたプレイを目指し、ギターソロで音を立体的に、時にダイナミックに扱う技術を習得しました。「Eruption」などのソロプレイに見られる、ハーモニクスやタッピングなどの革新技術は、ペイジが生み出した音楽的空間へのアプローチに触発された結果とも言えるでしょう。
2. ジョー・ペリー(エアロスミス)
エアロスミスのジョー・ペリーは、ツェッペリンの影響を公言しており、特に『IV』のギターワークに強く感銘を受けたと語っています。ペリーのギターには、ペイジのようにソウルフルでアグレッシブな面と、エモーショナルで繊細な面が共存しています。「Dream On」や「Sweet Emotion」などに見られる、フレーズごとのダイナミクスのコントロールや、ペイジを彷彿とさせるリフの作り方は、まさに『IV』の影響を色濃く反映しています。
3. ダン・アウストリン(アークティック・モンキーズ)
アークティック・モンキーズのダン・アウストリンは、ジミー・ペイジのリフのリズム感や、ギターの音色に深い影響を受けています。『IV』の曲、特に「Black Dog」や「Rock and Roll」のリフに見られる不規則でグルーヴィーな要素を取り入れたプレイスタイルが特徴です。アウストリンのギタープレイには、ペイジが示したようなリズムとメロディの絶妙なバランスが色濃く反映されており、そのギターリフはしばしば『IV』を彷彿とさせるものがあります。
4. ケリー・ジョー・ハーウィグ(ザ・ブラック・キーズ)
ザ・ブラック・キーズのギタリスト、ケリー・ジョー・ハーウィグは、ジミー・ペイジの影響を強く感じさせるブルースベースのギタースタイルを持っています。「When the Levee Breaks」のようなブルース・ロックの要素を取り入れ、非常にドライでリズミカルなアプローチを行っています。彼のギタープレイは、ペイジのようにシンプルながらも、深いエモーションを伝える力があります。
5. ジョン・フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
フルシアンテはレッド・ツェッペリンの音楽に多大な影響を受けたことを公言しており、『IV』もその一環です。彼のギタープレイには、ジミー・ペイジから学んだリズム感やフレーズの捉え方が色濃く反映されています。フルシアンテのソロやリフには、ペイジのように音を大きく鳴らし、時に静かに引き込むようなテクニックが見られます。特に「Under the Bridge」など、メロディアスかつエモーショナルなフレーズは、ペイジの影響を感じさせる部分があります。
6. ジョニー・マー(ザ・スミス)
ジョニー・マーもまた、ツェッペリンからの影響を色濃く受けたギタリストです。ペイジのように、彼もギターを音の一部として使い、リフとメロディを緻密に絡めるスタイルを持っています。特に「This Charming Man」のようなギターラインに見られる、ペイジが示したようなリズム感とメロディアスなアプローチは、ペイジの影響を感じさせます。
『IV』におけるジミー・ペイジのギターワークは、テクニックだけでなく、感情やグルーヴを表現する力に長けており、彼が生み出したギターの音楽的空間は、次世代のギタリストたちに多大な影響を与えました。エディ・ヴァン・ヘイレンやジョー・ペリー、ジョン・フルシアンテといったギタリストたちが、その自由な表現と革新性を学び取り、自らのスタイルに昇華させていったのです。『IV』は、ロックギターの歴史における金字塔であり、その影響は今後も受け継がれ、進化し続けることでしょう。
Led Zeppelin IVの聴きどころはここ
レッド・ツェッペリンの4枚目のアルバム(通称『Led Zeppelin IV』)は、バンドのキャリアの中でも非常に重要で象徴的な作品です。このアルバムの聴きどころは多岐にわたりますが、特に注目したい点をいくつか挙げてみますね。
1. 「Stairway to Heaven」
この曲は、ツェッペリンの代表作とも言える存在で、ロック史上でも最も影響力のある曲の一つとされています。イントロのアコースティックギターから始まり、徐々に盛り上がっていく展開はまさに圧巻。歌詞も深い意味を持っており、何度聴いても新たな発見がある名曲です。
2. 「Black Dog」
アルバムのオープニングを飾るこの曲は、ダイナミックで複雑なリズムが特徴的。ジミー・ペイジのギターリフとロバート・プラントの力強いヴォーカルが融合し、ツェッペリンらしいハードロックの魅力を堪能できます。
3. 「Rock and Roll」
その名の通り、ロックンロールのエネルギーが詰まった曲です。シンプルながらもキャッチーで、ドラムのジョン・ボーナムのパワフルなプレイが目立つ一曲です。ライブでもよく演奏される定番曲。
4. 「The Battle of Evermore」
この曲は、アコースティックギターとメロディアスなボーカルが特徴的なファンタジックなトーンの曲。デヴィッド・カヴァデール(元ヤードバーズのメンバー)とのデュエットも聴きどころです。歌詞にも神話的な要素があり、アルバムの中でも独特の雰囲気を持っています。
5. 「When the Levee Breaks」
最後に、アルバムの締めくくりとなるこの曲は、ブルースの影響を強く受けたサウンドで、ジミー・ペイジのギターとジョン・ボーナムの重厚なドラムが際立っています。ボーカルとリズムセクションのグルーヴ感が抜群で、聴く者を圧倒します。
このアルバム全体は、ツェッペリンの音楽的な幅の広さを感じさせる作品であり、彼らの革新性と技術的な卓越性が存分に発揮されています。特に音楽の展開やアレンジの工夫が光るので、じっくりと聴く価値のある名盤です。